心もとなし、歩けよ乙女

絵と音楽 18歳って素敵

本当のフレンドに戻る

 

 

 

終わる、

 

 

夏が終わる、

 

 

 

僕の恋も終わる。

 

 

 

君のマンションの3階。

決して街を見渡せるわけじゃないこのベランダでたばこを吸っていると段々、日が落ちるのが早いことを感じる。

強い西日。涼しくない都会の風。

 

 

 

 

秋になる、

 

 

 

切なくなる、

 

 

 

夏の終わりは切なくなる。

 

 

 

そして何処となく焦燥感がこみ上げてくる。

 

 

 

焦りたくないな

この関係が続けば都合のいいときだけでも側にいれる。

 

 

 

まだ告うな、

 

わかってる。

 

 

夏に持ってかれてはいけない。

 

 

 

 

あちっ

 

短くなったたばこ。

 

 

 

 

君の想ってる人がたばこが好きっていうから吸い始めたこの銘柄。

 

本当は全然おいしくない。

 

 

あー…こんなに頑張ってるのに付き合えないなんて酷い話じゃあないか。

 

 

あの人より、僕の方が君の好きなとこ知ってるし

寂しいときは優しく抱いてあげてるのに。

 

 

 

 

なんだか自爆した。

変なこと考えたらとっとと告ってしまってスッキリした方がいいんじゃないかって思ってしまった。

 

 

 

 

 

「好きになったから、会うのやめよ」くらいのこといって驚かせちゃおうかな。

 

 

 

その方が夏のせいにできる。

 

僕は夏の最期の焦燥感に駆られ、君に告白してしまっただけなんです!

 

 

 

なんだよなんだよ。

さっきまでまだ焦るなだのタイミングを見計らってた奴がさ、

 

 

 

結局、夏のせいにしそうだ。

 

 

 

とんでもない天の邪鬼の僕です。

恋が終わっては泣いてしまう僕だけど

 

 

なあ後悔、今回だけは死んでくれ。

君よりもっと可愛くて好きになってくれる子、探したいんだ。

 

 

 

後ろの部屋で物音がした。

起きたみたいだ。

 

 

 

東の空に星がでていた。

ああやっぱ陽が落ちるの早いなあ。

 

 

 

 

さて、君に寝起きドッキリだぞ。

題して  君は君で幸せになってね にょろ 本当のフレンドに戻ろう にょろ閉じ

 

 

 

……センスないから好きになってくれないのかなあ。

 

 

 

部屋に入ると君がまだ眠そうな目でお茶を飲んでいた。

 

 

「あのさ〜…_______」